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信ぜざれば救う能(あた)わず・・・・・ 森田光コ
いつから始まったとも知れぬ太古の昔から今日に至るまで、そして未来永劫に向かって続いていく時間を「宙」といい、上下四方の空間を「宇」といいます。 アインシュタインによれば、宇宙の広さは一秒間に一八万六三二○マイル(約三○万キロメートル)を走る光の速さで飛んでいっても、その半分をいくのに五○億光年(一光年は約一○兆キロメートル)かかるそうです。 気の遠くなる広さです。そのなかの私はたったひとり。そして貴方も−。宇宙に比べて、あまりにも個人はちっぽけな存在ですが、その命は貴い。目に見えない大宇宙の理念を神仏、または天の道などいろいろ呼び方がありますが、私たちは天の恵み、神仏の恵みを受けてこの世に生まれてきました。 それなのに、ただなんとなく一生を過ごす人が多い。人の生命の本当の目的とはなんでしょうか。一番大事なことが分からない。知ろうともしない。私も昔はそうでした。金儲けだけが人生の目的であり、会社経営のコツであると錯覚していました。会社の業績は順調で、おごり高ぶり、自分の事しか考えないくだらない人間でした。 四○歳のとき無添加石けんを製造して使用したら、十年間私を苦しめていた体の湿疹が消えた驚きと、湿疹の原因が自社の合成洗剤だ、と知ったときの衝撃は忘れられない。悪いと分かっているものを止めて、良い物を世の中に広めるべきだと思いながらも、踏ん切りがつかない。だれ一人流通業者が相手にしない無添加石けんに切り替えれば、「売上不振で倒産」の文字がちらつくのである。目に見える物質世界に身を置けば、心が乱れるのが当然。欲望の渦から逃がれ「シャボン玉を広めるのが自分に与えられた使命だ」と信念を持って発売するのに、三年の歳月を要した。 心と体は一心同体ですが、体は心を動かすことはできません。体に命令するのは心です。素直で強い心を持つことが肝要です。自分の欲望を捨てて、世のため他人のためになるには、自分がなにを行うべきか。それが分 かれば志が一定すれば心に雑念がなくなり、強い信念を持つことができます。信念のある人は心が豊かです。考え方も積極的になり、日々自己向上に励むようになります。昨日より今日、今日よりも明日。努力の積み重ねで志を達成することができる。「念ずれば花ひらく」です。 信念のない人は心が貧しい。心貧しき者はやたらと怒り、悲しみ、恐れ、憎しみ、妬(ねた)み、悶(もだ)え苦しんでいます。人の本当の値打ちというものは、お金や地位や名誉ではない。ただ信念があるかないかで決まる。信念のない者は、なにをしてもうまくいかない。「生ける屍(しかばね)」です。 釈迦は言う。「信ぜざれば救う能(あた)わず、縁なき衆生は度(ど)し難(がた)し」と。キリストも言う。「まず、信ぜよ。信じる者は幸せなり」と。21世紀は「心の豊かな時代」にしたいものです。
シャボン玉友の会だより<No.58> より |
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