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■ 呼子甘夏ゼリーの歴史 2
19997年7月21日(月曜日)日本農業新聞より
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甘夏ゼリー 60万人の顧客ルートに |
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佐賀県呼子町加部島の農家主婦グループ 「島おこしかあちやん」の代表、山口めぐみさんは、 地場産甘夏規格外品で作ったゼリーを、 老舗明太子販売のふくやのお中元ルートで販売している。 島から外に出ていこうと物産展に参加したところころ、 この老鋪の目に留まった。このちいさな一歩が、 六十万人の顧客ルートにのる大きなチャンスをつかんだ。「宣伝効果は大きい」と山口さんは見る。 |
老舗と提携 | |
カタログに掲載 商品の信用得る |
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加部島産の甘夏を丸ごと使った「呼子甘夏ゼリー」は、明太子で有名なふくやの中元カタログに掲載されている。 同社の中元カタログ発行数は60万部。老舗と知られるふくやが扱ってくれることは「何より商品の保証になる」と山口さん。 ふくやのカタログを通じて販売するゼリーは、ふくやが提携している日通航空唐津営業所の車が加部島に ある店まで取りにくる。福岡県の博多まで運んで、あて先をかいたシールをはり、そのまま航空便で日本全国へ配送する。 送料の分などを考慮し、定価から多少差し引いた値段でふくや販売する。 | |
きっかけ | |
島お輿をめざし 見本市に出展・・・ |
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きっかけは95年、何か良い商品はないかと、ふくやの担当者が、佐賀県で行われたふるさと見本市を見に行ったことにさかのぼる。 山口さんは「佐賀市内からでも約二時間かかる加部島から、どんどん外へ出ていこう」と、この展示会に自慢のゼリーを出品。 山口さんが甘夏ゼリーを作り始めたのは89年のことだっだ。「加部島の甘夏も大したことない」といわれ、 「このままではいけない」と立ち上がった。この年、加部島と対岸の呼子を結ぶ橋がかかったのも追い風になった。 ゼリーを作り始めた当初は、「女が何か変わったことをはじめたぞ」と、周りの反応は冷静だった。 山口さん自身も人前に出るのは苦手。「でも、積極的に出て行かないといけない」と思い、食生活改善推進委員や 県の物産展などに積極的に参加し始めた。 その小さな気持ちの変化が、大きなチャンスをつかんだ。「自分から外に向かって出て行ったことが成功したのだろう。 加部島だけでやっていたらここまでは伸びなかった」と山口さんは振り返る。 | |
こだわり | |
規格外品を利用 「手づくり」貫く |
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ゼリーには、JAに出荷しない規格外の甘夏を使う。自分の甘夏では足りず、友人のものも使う。ゼリーの器に、中をくりぬいた後の甘夏の皮を使うのがセールスポイントだ。甘夏、砂糖、水、凝固剤以外は一切入れない。保存料を使わないため、受注生産を貫く。 果汁搾りは機械で行うが、それ以外は全部手作業。一日に最低でも四百個から五一百個作る。忙しい日は友人らに応援を頼んだり、山口さんが朝四時半から作業を行うことも。どんなに忙しくても機械化はできない。規格外の不ぞろいの皮を使うためだ。こうしたこだわりが、ふくやの担当者の目をひいた。ふくやのカタログに掲載する商品には厳しい基準がある。九州発であること、おいしいこと。甘夏ゼリーについては「似たような商品はあるが、味は山口さんのが一番。大手にはない手づくりの良さが、長く愛される商品だろう」と同社は評価する。 一個一個手作りするだけに、ふくやへの出荷量は限られる。「一日三十ケース(Lサイズ6個入り)が限度。これ以上はできません、とふくやさんには言ってある」と山口さん。どんなに忙しくてもあくまで手作り。この姿勢が、ゼリーを通じて消費者に伝わる。 |